今回はちょっと真面目な話をするよ。
ニコニコ動画で「クリエイター奨励プログラム」開始、二次創作の親にも還元
http://japanese.engadget.com/2011/12/13/niconico/クリエイター奨励プログラムについて:ニコニ・コモンズ ヘルプ
http://help.nicovideo.jp/niconicommons/020/ニコニコ動画内の「ニコニ・コモンズ」で12月13日に開始した「クリエイター奨励プログラム」、どんなものかについては上記のリンクを見てもらうとして、あたしが思うにこれはいかにも危うい感じがする。どのへんが問題だと思うかというと、
・登録作品は第三者の権利を侵害しない作品に限る、ということは解説ページに記載されているが、登録者が登録作品の一次創作者であることを証明する手段は?→なりすましが横行する可能性?
・削除要請には登録された作品の著作者であることの証明が必要→証明をどのように認める?クリエイター奨励プログラムに登録していないユーザーの投稿作品や、外部のイラスト投稿サイトや個人サイトなどから無断転載され、無断転載された作品の作者が削除要請をした場合ニコニコ運営はきちんとこれに応じるのか?
・ユーザー自身が二次創作をオリジナル宣言してしまったりなどの投稿内容の間違いがあっても変更できない、運営は登録内容を基にポイントを付与するのみで内容の訂正は行わない可能性?→投稿者が故意に無断転載や二次創作物をオリジナル宣言することが起こりえる
・自分の作品の二次創作物が投稿されていても、一次創作者は二次創作者に対してコンテンツツリーで子作品に設定することを強要できず、また親作品の制作者が自分で子作品指定もできない→実質無断使用に対する対応策がない?なりすまし・起源主張が横行する可能性?
・クリエイター奨励スコアを現金に換えられること→投稿者が無断転載や二次創作物を故意にオリジナル宣言するなどした作品が人気になったことで得たスコアを現金に換えた場合、他人の創作物を無断使用して金銭を得たことになる。また、ニコニコ運営がそういったことの対策を十分にとれなかった、あるいは黙認するような態度をとった場合、著作権法違反の幇助にもなりうる?
・作品を登録してから、クリエイター奨励スコアの受け取りができない3ヶ月間という期間→根拠はどこ?権利を侵害された側は3ヶ月以内に削除要請が通らなければ泣き寝入りしなければならないのか?
あたしの無い頭で考えただけでもこれだけ疑問点が出てくる。このクリエイター奨励プログラムが本格的に動きだしたら特に危ないのは匿名掲示板発祥のネタや個人サイトの一次創作物よね。いくらでも作者騙りや起源主張ができちゃう。こういう法的・倫理的な問題山積みのサービスを見切り発車でやっちゃうのってよくないと思うんだけどな。
※この記事・見解に対するツッコミがあったらどんどんやってくれ。情報はより正確なほうが望ましいので